歯列不正・不正咬合の患者が来院したら
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Part02 補綴・矯正・ときに外科を手法として用いる咬合再構成治療59Patient (First visit):女性,9歳10か月(初診時).Chief complaints: の反対咬合(Fig1a-f).Diagnosis:埋伏正中過剰歯を有する片側上下顎中切歯の反対咬合.Skeletal CI-Ⅰ Average face typeの思春期最大成長ピーク期の女子症例(Fig2a-c,Fig3).Treatment and observation:上顎正中埋伏過剰歯の抜歯後,上下顎にリンガルアーチを装着して₁の被蓋改善と萌出スペースの保持を図った.早期接触が消失したことで下顎の左偏は改善した.口唇閉鎖不全があったため,MFTを行いながらの経過観察中に₃の反対咬合が出現した.そこでマルチブラケット装置にて過蓋咬合と₃の反対咬合の改善を行った.動的矯正治療期間は4年6か月(マルチブラケット装置装着期間は1年2か月).保定期間4年2か月(Fig4a-h).安定した咬合と良好なプロファイルを保ち口唇閉鎖の維持もできている(Fig5a-e).Case Presentation 07歯列の交換時期から咬合の管理を行い,成人になる前の適切な時期に矯正治療を行った症例Fig1a-f 術前の口腔内の状態とエックス線画像(1986年・9歳10か月). 正中過剰歯を有する顎の偏位を伴う上下顎右側中切歯の反対咬合.11bcaefd初診時Problem List歯系● 上顎正中埋伏過剰歯●  の反対咬合● 下顎前歯部叢生機能系●  の早期接触と閉口時の下顎の左偏● 口唇閉鎖不全1111

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