口腔粘膜疾患識別ガイド
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 口腔粘膜の基本的な構造は皮膚と同じです。皮膚は大きくわけると、いちばん外側にある表皮と、その下にある真皮、皮下組織から成りますが、口腔粘膜もいちばん外側にある粘膜上皮と、その下にある粘膜下組織から成ります。部位により多少構造が異なり、上記のとおり、咀嚼粘膜、被覆粘膜、特殊粘膜の3種類に分類されます。 さらに粘膜上皮は4つの層(角化細胞層、顆粒細胞層、有ゆう棘きょく細胞層、基底細胞層)から成っており、粘膜下組織は皮膚の真皮とくらべて膠こう原げん線維や弾性線維が細くなっています。皮膚では汗腺や毛根が存在しますが、口腔粘膜にはなく、上皮の下に唾液腺があります。口腔粘膜の構造は、どうなっている?歯以外は、どこも口腔粘膜! 口唇も、舌も、歯肉だって、口腔内のほとんどは、実は口腔粘膜なのです。角化細胞層が厚く、咀嚼による物理的な刺激に耐えられる。粘膜下層がなく、粘膜上皮が骨膜を介して骨と直接結合した、非可動部の粘膜。硬口蓋、歯肉咀嚼粘膜角化細胞層が薄い。骨に付着していない可動部の粘膜。筋組織を被覆し、柔軟で咀嚼運動に順応できる。口唇、頬粘膜、舌下面、軟口蓋被覆粘膜舌背を覆う粘膜で、上皮、結合組織が突出した糸し状じょう乳頭、茸じ状じょう乳頭、葉よう状じょう乳頭、有ゆう郭かく乳頭の4つの乳頭がある。味蕾(食べ物の味を感じる器官)があり、感覚機能を持つ。舌背部特殊粘膜図1 口腔粘膜組織知識編 口腔粘膜疾患を4色で知る9

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