最新 骨補填材料&メンブレンYEARBOOK 2021/2022
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巻頭企画 21骨(FDBA72)),異種骨(ウシ由来73),ブタ由来74)),人工骨(HAとβ-TCPの混合材料75))であるが76),有効な骨補填材料のうち本邦で薬事承認されているのはBio-Oss,HAとβ-TCPの混合材料であり,Bio-Gide等の吸収性メンブレンとの併用が有効である.また,吸収が遅くかつ将来的に自家骨に置換するであろうサイトランスグラニュールや,新しいコンセプトを持つリフィット デンタル,ボナークも,有効な骨補填材料であると考えられる.これら骨補填材料の移植のみでメンブレンを用いない手法は,簡便で有効性が高く,広く臨床応用されている. 骨移植をともなわないリッジプリザベーションとしては,吸収性メンブレン77)もしくはdPTFE78)を単独で用いる方法が報告されている(図11).また,フラップを翻転するよりしないほうがより有効であることがシステマティックレビューにより示されている79).メンブレンのみで行うリッジプリザベーション症例供覧図11② 全層弁を剥離翻転し,₄歯根破折にともなって生じた骨欠損部を根尖側まで明示した.図11① 歯槽頂切開.抜歯予定の₄歯肉溝内切開および₃歯肉溝内切開後,₃近心に縦切開を加えた.図11③ ペリオトームにて慎重に抜歯すると,頬側骨は根尖側まで,舌側骨も5割程度欠損していた.図11⑤ 減張切開は行わず,メンブレンは一部露出させて単純縫合し,ポンティックの基底部で被覆した.図11④ 骨欠損辺縁を2mm程度超えて欠損を完全に被覆するようdPTFEメンブレンを設置した.図11⑥ 約6ヵ月後のインプラント埋入時,骨欠損部にある程度骨増生がなされているのが確認できた.図11⑧ 吸収性メンブレンBio-Gideを設置した後,減張切開を加えてテンションフリーにて縫合した.図11⑦ ガイデッドサージェリーにてインプラントを埋入すると,わずかな裂開を認めたため自家骨を移植した.図11⑨ マイナーGBRのみで大きな骨増生を行うことなくインプラント治療が可能であった.骨補填材料とメンブレンを用いた骨増生術式の変遷と臨床応用

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