最新 骨補填材料&メンブレンYEARBOOK 2021/2022
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Clinic ReportClinic Reportソケットグラフトにおけるリフィット デンタルの有効性〜ハイブリッドコラーゲンマテリアルの高機能化〜皆川 仁 Minagawa, Hitoshi皆川総合歯科クリニック 院長1991年 明海大学歯学部卒業日本臨床歯科学会(SJCD)東京支部 理事日本臨床歯科学会(SJCD) レギュラーコースインストラクターFINESIA ガイドインストラクターMinagawa Academy Club (MAC) 主宰Clinic Report 83リフィット デンタル稀であり,人工骨は必須のマテリアルとなっている. 骨補填材料とは自家骨以外の骨再生に用いられる材料を指し,他家骨,異種骨,人工骨の3つに分類される.その目的は骨欠損部を修復し骨の代替となることである.なかでも最近は骨生成scaffold(足場)としての多孔体人工骨に注目が集まっている.人工骨気孔は血管や新生骨など再生に必要な組織の侵入が容易なだけではなく細胞や成長因子(BMP/FGF)を導入し,骨誘導能に対する未分化の間葉系細胞の足場となることで,骨形成の伝導能となり得る(図1,2). はじめに 自家骨に勝る骨補填材料はあるのだろうか? 自家骨の一番の利点は,活性を保ったまま移植されるため骨再生に優れることである.さらに免疫の問題もない.しかし同時に,採取量の限界や二次的侵襲,ドナーサイトの疼痛,移植後の吸収などのデメリットがある.このデメリットを回避することを基盤に,医科領域では1970年よりセラミック人工骨が開発された.臨床応用の幕開けである.現在,歯科領域においても,自家骨のみで骨欠損修復を行うケースはごく図2 骨補填材料の3つの特徴 .足場となる人工骨があることにより骨形成のための骨伝導が発揮される.図1 再生医療の3つの輪.再生療法には生きた細胞と細胞の足場,成長因子の3つが必要.

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