増補新版 Minimal Tooth Movement
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図10a,b 術前.53歳,女性.₇の近心・口蓋・遠心側にかけて骨欠損がみられる.プロービングの深さは,近心側9mm,口蓋側6mm,遠心側6mmである.図10c 歯周初期治療および根管処置終了後,矯正的挺出を開始. 図10〜13に,矯正的挺出を用いて垂直性骨欠損の改善を試みた代表的な症例を提示した.それらを参考にしながら,以下の治療の流れを考察する.1)診査・診断 通常のエックス線写真検査(パノラマ,咬翼法,デンタル平行法),プロービング検査などを行い,歯周病の進行度や,骨欠損のおおよその形態を把握する. 挺出(MTM)を用いて垂直性骨欠損を改善する必要性があるかどうかの判断基準は,歯の移動様式から考えて,①大きくは傾斜していない歯の近遠心の骨欠損②頬舌側に,自己再生があまり期待できない1〜2矯正的挺出を利用した垂直性骨欠損の改善の治療の流れ矯正的挺出による垂直性骨欠損の改善図10a図10b図10d 第二大臼歯の場合,対合関係で挺出させる距離には限度がある.図10e,f 挺出終了直後(挺出開始から1か月後).図10e図10f図10g,h 挺出終了から4か月.補綴処置直前.骨欠損の改善が明らかである.図10i 術後6年.プロービングの深さはすべて3mm以下である.図10g図10h693 垂直性骨欠損を改善するためのMTM

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