エンド・マテリアルセレクション
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82Professional #08症 例 マイクロスコープとJIZAIを使用した根管治療患者年齢および性別:67歳、女性主訴:7の歯冠破折後の痛み。現病歴:1か月前に食事中患歯の歯冠部が欠けた。痛みがあり、近くの開業医に診てもらったが、歯根部が彎曲しているとのことで当付属病院マイクロスコープ特診外来に診療依頼。現症:歯冠部は消失し、グラスアイオノマーセメントで被覆されている。打診に違和感があるがその他は特に症状はない。既往歴:特記すべき既往歴なし。口腔内診査:❶マイクロスコープを使用して口腔内の診査を行った。X線診査:初診時のパノラマX線写真(図1)、デンタルX線写真(図2)。X線所見からもわかるように、7の歯根は癒合しているように見え、歯根は彎曲している。冠部歯髄部はセメントのものと思われる不透過像で覆われている。髄床底部を含め透過像が認められる。根尖部周囲に異常な所見は見られない。臨床的診断名:歯冠破折、歯髄炎(露髄による)抜 髄Pulpectomy 不可逆性歯髄炎、歯髄壊死などにおいては歯髄除去療法が行われる。歯髄を除去し、根管治療を行う際には、天蓋を除去し、根尖孔までの歯髄を除去して根管拡大形成、根管洗浄、根管充填を行う。それらの過程において、さまざまな術式、器具が使用されている。 その手順として、以下に示す①~⑫の手順で行う。抜髄・感染根管治療の手順。① ラバーダム防湿④ 根管口のストレート化② 天蓋除去(罹患歯質の除去を含む)⑤ 根尖孔へのネゴシエーション③ 根管口の明示⑥ 根尖孔での穿通(patency)⑦ 根管長測定⑩ 根管洗浄⑧ グライドパス⑪ 根管貼薬(直抜即根充法では省く)⑨ 根管拡大形成⑫ 根管充填

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