「ずっと元気」をかなえる歯科患者学
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51わせて1、2、3……とカウントしながら磨く部分を変えていきます。下の奥歯から磨き始めるルートも決まっているので、磨き残しがなくなります。何でも三日坊主の私ですが、ストレッチも歯磨きとセットにすることで無理なく習慣になるので、一石二鳥なのです。歯科医師からのコメント……………………………………………………患者さんへの質問用紙の項目に「歯磨き回数」、「歯磨き時間」という項目があります。長い時間磨けばよいというものではないのですが、正しく磨こうとするとある程度の時間を要します。ですから「ながら(何かをしながら)磨き」はよい方法の一つです。不幸にして歯を失う患者さんがいますが、その原因の多くは歯周病(歯し槽そう膿のう漏ろう)です。歯の根を支える骨がなくなってしまう病気ですが、予防や進行防止で一番大切なのは正しい歯磨きです。食事をすると食べかすを餌に細菌が繁殖し、白くネバネバした細菌の塊が作られます。これを歯垢(プラーク)と呼びます。歯垢に唾液の中のカルシウムが沈着して歯石になってしまうと歯ブラシでは取れませんが、歯垢は歯ブラシで除去できますので、歯磨きの目的は歯垢の除去と言えます。歯磨きにはいろいろなスタイルがあり、みなさん習慣化しているはずです。ただ、自己流の歯ブラシの使い方には、それぞれの癖があるかもしれません。歯科医院で指導を受けていない人だと、歯ブラシがあたりやすい部分は磨けていても、それ以外は何日も磨いていないことになりかねません。出来立てのプラークには歯周病を進行させる悪玉菌は少ないのですが、数日たつとだんだん悪玉菌が増えてきます。磨くタイミングを習慣づけるとともに、正しく磨き、今日の歯垢を明日に持ち越さないことが大切なのです。

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