必ず上達 自家歯牙移植・再植
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移植後の固定と根管治療①固定▶強固な固定は後に歯根吸収(アンキローシス)を起こしやすいといわれているため,避けるべきである.移植直後は縫合糸で,術後4日後くらいからは隣在歯とワイヤーで固定するのが望ましい(図5, 6).▶移植手術時の固定は,1か月程度で外せることが多いが,生着の度合い(動揺度)によって判断する.早いときで2週間,長くかかるときで3か月ほどの固定を経験している.近遠心やや距離をとって刺入27自家歯牙移植の治療の実際①  自家歯牙移植時の治療のポイントCHAPTER 3lmn症状1l~n 歯冠修復をして治療は終了した.症例1o~q o:術後3年7か月.p:術後4年.q:術後6年.問題なく機能している.opq図5 シンプルな縫合法.縫合針は必ず付着歯肉に刺入する(可動粘膜に通すと糸が安定せず緩みやすい).移植当日(縫合後)→翌日に洗浄,チェック→4日後くらいにワイヤーによる固定に切り替える.・縫合糸がずれないように歯冠中央に通るようにする.ずれが心配な場合は縫合糸を歯冠部とスーパーボンド®で軽く接着させる.・数日で緩んでくることがあるので,こまめなチェックが必要である.・縫合のみによる固定が不安であれば,最初からワイヤーによる固定を併用する.①頬側,舌側を幅広く.②,③近心的に可及的に.

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