鈴木哲也のよい義歯だめな義歯2
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CHAPTER2CHAPTER2咬合採得の診療ステップは、リップサポートと仮想咬合平面の決定、垂直的顎間関係の決定、水平的顎間関係の決定の順に進む(図2-1)。Chapter1で説明したように咬合床を使うことで避けられないエラーがあるとしたら、ここでは仮の咬合採得であると割り切って、重要な部分とそうでもない部分を意識して、優先順位をつけた診療を勧めたい。また、患者は新旧義歯を相対的に評価する。そのため、術者ははじめに使用中義歯を十分に観察・評価しておけば、臨床判断が速い。なお、はじめから適切な形にろう堤が製作されていれば、治療時間が短縮できる(図2-2)。以下、咬合採得の臨床手順に沿って、費用対効果を意識した術式を提示する。40重要な部分とそうでない部分を 意識する1図2-1 咬合採得の流れ。上顎前歯部豊隆(リップサポート)垂直的顎間関係咬合器装着仮想咬合平面(上顎から)(下顎から)水平的顎間関係図2-2 適切なろう堤の形態が、治療時間の短縮につながる。●!リップサポートが不十分●!ろう堤唇面の位置を6~8mm切歯乳頭の前方に適切な形のろう堤

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