矯正歯科治療の基本と類似症例が必ず見つかる!ラーニングステージ別臨床例60
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Chapter3 矯正治療の患者説明,使用材料・器具の基礎知識と,治療中における歯の移動に関する考慮事項ab図3-31a,b 顎顔面の成長および発育時期に前歯部のみが対合歯と接触するように咬合挙上すると,臼歯部の垂直方向への成長によりオーバーバイトが減少する.a:上顎前歯部口蓋側へのバイトアップ用の床付き矯正装置を装着.b:臼歯の自然挺出によって前歯部のオーバーバイトの減少が可能.cabdefghi咬合挙上板(咬合斜面板を含む)によるオーバーバイトの改善咬合斜面板により咬合挙上と下顎前方誘導を行った症例 Case 17☞詳細はChapter4(182ページ)へ大臼歯の近心端へのアンカレッジベンドの作用プレーンまたは逆スピーのワイヤーの挿入図3-33 アンカレッジベンドの作用により,大臼歯の挺出,遠心傾斜と切歯の圧下,唇側傾斜が起こり,前歯部のオーバーバイトは減少する.犬歯へサイドワインダースプリング(ティー・ピー・オーソドンテックス・ジャパン)を装着してパワーティッピングさせることにより,前歯部のフレアアウト(唇側傾斜)を最小限にすることが可能になる.100図3-34 スピーの湾曲がついた下顎歯列に対してプレーンのワイヤーや矯正力が作用する逆スピ-の形状のワイヤーを挿入すると,前歯部へは回転中心より唇側への圧下力になるため,実際は唇側傾斜してオーバーバイトが減少する.しかし,唇側傾斜をさせ過ぎると,口唇力により後戻りの原因となる.図3-32a〜i 10歳,男児に対して,咬合斜面板を使用することにより前歯部の過蓋咬合が正常被蓋になり,犬歯および臼歯における対合歯との咬合関係がⅡ級からⅠ級へ改善した.a〜c:前歯部は過蓋咬合で犬歯,臼歯はⅡ級関係.d〜f:咬合斜面板を装着.g〜i:装着後8か月の咬合状態.

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