矯正歯科治療の基本と類似症例が必ず見つかる!ラーニングステージ別臨床例60
8/11

Stage 1&2(初級編) adbcefghijStage 3 to 5(中級編)Stage 6&7(上級編)Stage 8&9(リカバリー編)Stage 10(これからの矯正治療編)患者:42歳,女性初診:2002年11月主訴:7舌側傾斜による舌感不良および右側での咀嚼障害.症例概要:患者は7の舌側傾斜による舌感不良および右側での咀嚼障害を主訴に来院した.右側第二大臼歯の交叉咬合により,側方運動時咬合干渉が認められた.患者には,この2,3年で7が徐々に舌側傾斜してきたとの自覚があった.初診時,7は歯列弓から外れて頬側転位,7は大きく舌側傾斜していて,習慣性の閉口時,7の頬側咬頭外斜面と7口蓋側咬頭外斜面が早期接触して誘導される咬合干渉が認められた(図4-22-1). デンタルエックス線写真(図4-22-2)では,7の舌側傾斜が観察された. 本症例では,上顎トランスパラタルアーチ,下顎リンガルアーチを固定源にした右側第二大臼歯の交叉咬合の治療を行った.なお,3の低位唇側転位や上下顎の正中のズレといった審美面の改善の希望はなかったため,右側臼歯部の限局矯正による咀嚼障害への治療のみを行った.診断名:右側第二大臼歯部の交叉咬合による咬合干渉が原因の咀嚼障害.治療方針:上下顎右側第二大臼歯の矯正治療による適正な咬合関係の獲得.207Stage2初級編2-4交叉咬合Case 22図4-22-1a~j 初診時の口腔内(hは口腔内右側頬側面観)および診断用模型上での右側第二大臼歯部咬合関係(iは右側頬側面観,jは右側後方面観).₇は頬側,₇は舌側へ挺出して傾斜していた.Case 22交叉咬合を呈する上下顎右側第二大臼歯の整直

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る