インプラントの“ヒヤリ・ハット”“あるある”
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 学生時代にきちんと学んでおけばよかったと思う解剖学ですが、インプラント埋入でもおおいに関係してきます。インプラント埋入は外科手術なので、血管や神経の損傷を防ぐために口腔内およびその周囲の解剖を熟知していることが不可欠です。もちろん解剖学を学び直すのもいい方法ですが、インプラント手術において必要な解剖に対して知識を深め、アクシデントを未然に防いだり、アクシデントが発生した場合の対応を勉強するほうが効率的です。本書の付録(インプラント危険部位マップ)には多くの有効な情報が詰め込まれているので、ぜひ熟読してください。22ヒヤリ・ハット2-2解剖えっ!どうしてですか?マコト先生! 今、上顎臼歯部の切開線を考えているんですが、これでいいでしょうか?大口蓋動脈は後方では歯槽頂から離れているけど、前方に行けば行くほど歯槽頂に近くなるんだ。大口蓋動脈どれどれ、ワタル先生。だからCTGなどで歯肉採取する時も注意が必要なんだよ。歯槽頂切開は問題ないね。遠心のY字切開も悪くないね。ここの出血は圧迫止血で止まることが多いよ。もし止まらなかったらレーザーや電気メスでもかなり効果があるよ。近心頬側の斜切開も問題ないけど、近心口蓋側の切開線は要注意だよ。血管や神経を損傷しないために解剖の知識を!!上顎切開で思わぬ出血!?

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