PRD 8月
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23Volume 22, Number 4, 2014自家硬組織および軟組織移植片を使用した審美領域における抜歯窩の処置:5年にわたる臨床研究Thomas Hanser, DMD1Fouad Khoury, DMD, PhD2Original Title:Extraction Site Manage-ment in the Esthetic Zone Using Autog-enous Hard and Soft Tissue Grafts: A 5-Year Consecutive Clinical Study 歯の喪失後,抜歯窩領域における形態学的リモデリングの過程で,通常,体積は減少する.歯の喪失後,歯槽堤を保存することにより,吸収を最小限にとどめ,審美的かつ機能的な要求を満たすインプラント埋入が可能になる1, 2.これらの手法では,異種移植材3-10,合成骨補填材10,バイオガラス11-13,脱灰凍結乾燥骨7, 11, 14,ハイドロキシアパタイト15, 16,硫酸カルシウム13, 17,ポリ乳酸‐ポリグリコール酸化合物18,コラーゲンマトリックス19,および自家骨4, 14が抜歯窩へ移植される.移植の治癒は開放創3, 9, 13, 18あるい要約(Abstract) 本研究は,頬側骨の欠損した症例において,自家硬組織および軟組織移植片を利用して抜歯窩の処置を行い,歯槽堤の保存と新生骨再生が可能であるか否かを評価している.2004年から2006年までの間,49名の患者に対し,抜歯後,58抜歯窩を自家骨細片で完全に充填した.全症例のうち,抜歯後に頬側骨壁の少なくとも半分が欠損していた.口蓋から採取した歯肉‐結合組織移植片で,骨移植した抜歯部位を封鎖した.抜歯窩増生後,約10〜12(平均10.9)週でインプラントを埋入した.7の継続症例の移植抜歯窩から骨コアを採取し,組織形態計測分析を行った.頬側骨カントゥアの規格化体積測定について,抜歯前,補綴後1年,5年に評価した.処置を行った47(81.0%)の抜歯窩において,追加移植術を行うことなく,インプラントを埋入することができた.11名の患者(19%)においては,局所的に移植術を併用することにより,インプラントを埋入した.抜歯窩増生術の10〜12(平均10.9)週後,移植骨は成熟し,血管新生は良好であった.活性のある骨平均量は52.0%±8.6%であった.規格化体積測定により,外側歯槽カントゥア基準点の83.3%は,ベースラインから補綴1年後およびベースラインから補綴5年後まで有意な変化は認められなかったことが明らかとなった.基準点のいずれも,補綴後1年から5年までの体積は,統計学的に有意な変化を示さなかった.自家硬組織および軟組織移植片を使用した抜歯窩の処置は,頬側骨欠損症例において,新生骨再生を可能とし,長期的に歯槽堤を保存することができ,全体的にインプラント治療時間を短縮させる.(Int J Periodontics Restorative Dent 2014;34:305-312. doi: 10.11607/prd.1749)1Senior Surgeon, Private Clinic Schloss Schellenstein, Dental Implant Center, Olsberg, Germany.2Professor, Department of Oral and Maxillofacial Surgery, University of Münster, Germany; Chairman, Private Clinic Schloss Schellenstein, Dental Implant Center, Olsberg, Germany.Correspondence to: Dr Thomas Hanser, Private Clinic Schloss Schellenstein, International Dental Implant Center, Am Schellenstein 1, 59939 Olsberg, Germany; email: dr.hanser@gmx.de.

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