PRD 8月
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49Volume 22, Number 4, 2014接着性レジンによる片側維持(支持)型のジルコニア陶材固定性補綴(RBFDPs)の4年経過:後ろ向き容量分析臨床研究Irena Sailer, Prof Dr Med Dent1Christoph Hans Franz Hämmerle, Prof Dr Med Dent2Original Title:Zirconia Ceramic Sin-gle-Retainer Resin-Bonded Fixed Dental Prostheses (RBFDPs) After 4 Years of Clinical Service: A Retrospec-tive Clinical and Volu-metric Study 過去40年の間にレジン接着性の固定性補綴(以下RBFDPs)は,欠損歯の修復のための予知性の高い新たな治療法へと発展してきた.過去に,この治療法は接着の脱離による高い失敗率でトラブルを起こし,プロビジョナルレストレーションでのみ使用を推奨されてきた1.しかしながら,マテリアルと臨床テクニックの双方の著しい改良により,RBFDPsの臨床結果は今日では非常に有用性が高い.重大な改善点としては,固定用リテーナーの歯数が2本以上から1本へと減ったことである.この改良は,RBFDPの脱離率をかなり低下させることができた2.さらに,最小限の侵襲となる形成デザインの導入は,維持力を高め,接着面積を増やすことで,RBFDPsの治療結要約(Abstract) 本研究の目的は,接着性レジンによる片側維持型のジルコニアセラミックの固定性補綴(RBFDPs)の最長8年にわたる臨床結果を後ろ向き評価することであった.対象は15名(女性9名,男性6名)の15本の前歯に用いたジルコニアセラミックのRBFDPsであった.RBFDPsは,5本の上顎中切歯と7本の上顎側切歯と3本の下顎側切歯に用いた.希望した患者をリコールし,RBFDPsの生存率を評価した.臨床結果はUnited States Public Health Serviceの基準を修正したもので評価を行った.補綴物の破折やチッピング,咬耗,辺縁の適合性,辺縁の変色,形態,表面性状,審美的な調和を記録した.生物学的なパラメータとしては,歯髄の有無,プロービング深さ,歯肉退縮,プラークコントロール,プロービング時の出血,歯の動揺などを評価した.データは対応のあるt検定を用いて記述的に分析した(P<.05).15本のRBFDPsを装着した被験者を,平均53.3ヵ月(標準偏差23ヵ月)のフォローアップ期間で評価した.破壊による失敗は生じなかった.4年生存率は100%であった.早期の接着の脱離が2本に生じ,問題なく再装着を行った.積層したセラミックにチッピングは生じなかった.テスト群とコントロール群の間に生物学的結果の相違は認められなかった.ジルコニアセラミックのRBFDPsは前歯部においてすぐれた結果を示し,ポンティック部においても審美的に有効な結果を示した.(Int J Periodontics Restorative Dent 2014;34:333-343. doi: 10.11607/prd.1842)1Chair, Clinic of Fixed Prosthodontics and Occlusion, Center of Dental Medicine, University of Geneva, Geneva, Switzerland.2Chair, Clinic of Fixed and Removable Prosthodontics and Dental Material Science, Center of Dental Medicine, University of Zurich, Zurich, Switzerland.Correspondence to: Prof Dr Irena Sailer, Clinic of Fixed Prosthodontics Occlusion, Center of Dental Medicine, University of Geneva, 19, Rue Barthélemy-Menn, 1205 Geneva, Switzerland; fax: +41 22 379 40 52; email: irena.sailer@unige.ch.

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