PRD 10月
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23Volume 22, Number 5, 2014低侵襲の視点からみたラミネートベニアの支台歯形成における歯の色の影響:症例報告Christian Coachman, DDS, CDT1Galip Gürel, DDS, MSD2Marcelo Calamita, DDS, MSD, PhD1Susana Morimoto, DDS, MSD, PhD3Braulio Paolucci, DDS4Newton Sesma, DDS, MSD, PhD5Original Title:The Influence of Tooth Color on Preparation Design for Laminate Ve-neers from a Minimally Invasive Perspective: Case Report要約(Abstract) ラミネートベニアの支台歯形成については,セラミックの材料特性,歯の構造的色調の維持,カントゥアの改善,技工的な製作技術,咬合関係などの観点から,現在多くの手法が提案されている.成功例と失敗例から示される,材料と技術の発展に寄与する臨床的な提案として,セラミックベニア修復,もしくは形成せずにベニアを行うために効果的な支台歯形成を行う際に許容される安全基準が示されてきた.本論文は,支台歯形成時のガイドとなる数学的数値と関連付けた口腔内モックアップ(審美的事前評価テンポラリー)によって口腔内へ置き換えられる,補助的診断用ワックスアップの使用について説明する.本稿で症例報告として提示されるDo the Mathと呼ばれるこの手法は,求められる色調と形態を達成するために必要な歯の削合の正確な量と位置を示すことによって,過剰または不正な支台歯形成を避けることを目的としている.(Int J Periodontics Restorative Dent 2014;34:453-459. doi: 10.11607/prd.1900)1Private Practice, São Paulo, Brazil.2Private Practice, Istanbul, Turkey; Visiting Professor, New York University College of Dentistry, New York, New York, USA; Visiting Professor, University of Marseille, Marseille, France.3Professor, Graduate Program, School of Dentistry, Ibirapuera University, São Paulo, Brazil.4Private Practice, Barbacena, Brazil.5Assistant Professor, Department of Prosthodontics, University of São Paulo, São Paulo, Brazil.Correspondence to: Dr Christian Coachman, Rua Bento de Andrade, 116, Sao Paulo-SP, Brazil, 04503-000; email: digitalsmiledesign@hotmail.com. セラミックベニアは,適切な適応に対して行われる際には非常に審美的で予知性のある歯冠修復物である1-5.ベニアの支台歯形成として多くの方法が提示され,これらはセラミックマテリアルの特性,残存歯を構成する歯質の色,カントゥア変更の必要性,歯科技工の手技,咬合関係などの因子の影響を受ける.加えて,補綴専門医の考え方やテクニックは歯科技工士の専門知識やスキルなどとともに結果に対して決定的に大きな影響を与える.時間の経過とともに,臨床的な成功例や失敗例6-9というものは,技術や材料の発達に伴い,セラミックベニアに置き換えるための支台歯形成が効果的な処置か10, 11否か12-14,を判別するパラメータとなっている. ラミネートベニアの形成は三つの世代に分けられる.第一世代(デプスガイド世代)15-17は切端と唇側面の削合に際し,規格化された深さに削合できるダイヤモンドバーを支台歯形成に用いた.この方法では個々の歯に対する対応がなされず,総じて形成が過剰となる結果を招いた.この方法は,最終的

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