PRD 12月
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41Volume 22, Number 6, 2014抜歯即時インプラント埋入における軟組織外形の変化:ランダム化比較対照臨床試験Daniele Cardaropoli, DDS1Lorena Gaveglio, DDS2Enrico Gherlone, MD, DDS3Giuseppe Cardaropoli, DDS, PhD4Original Title:Soft Tissue Contour Changes at Immediate Implants: A Random-ized Controlled Clinical Study要約(Abstract) 52名の患者において,前歯1歯を抜歯し,即時インプラントを埋入した.インプラント周囲の隙間を治療しないまま(対照群)あるいは,移植を行い膜で被覆をした(実験群).12ヵ月後,水平的骨吸収は実験群において有意に少なく(実験部位:0.69±0.68mm, 8.13%; 対照部位:1.92±1.02mm, 21.62%; P=.001),顎堤高さにおいて減少は少なかった(実験部位:0.58±0.77mm; 対照部位:1.69±1.74mm; P=.004).インプラント埋入単独と比較した際,顎堤保存術は水平的および垂直的な軟組織の変化量を大きく抑制した.(Int J Periodontics Restorative Dent 2014;34:631-637. doi: 10.11607/prd.1845)1Scientific Director, PROED Institute for Professional Education in Dentistry, Turin, Italy.2Private Practice and Consultant, PROED Institute for Professional Education in Dentistry, Turin, Italy.3Dean, Dental School, Vita-Salute San Raffaele University, Milan, Italy.4Head, Periodontics Unit, Dental School, Vita-Salute San Raffaele University, Milan, Italy.Correspondence to: Dr Daniele Cardaropoli, corso Galileo Ferraris 148, 10129 Turin, Italy; fax: +39-011-323683; email: dacardar@tin.it. ヒトにおいて抜歯窩のモデリング・リモデリング能に関して大きな変動性があるとはいえ7,抜歯を行った後の骨吸収は避けられない1-6.実験的研究では束状骨が抜歯後に失われることを示してきた5, 6.束状骨は歯根膜のコラーゲン線維を含む,歯に依存した構造である.歯根膜からの栄養の欠如により歯が失われると束状骨は吸収され,線維性骨によって置換される6.頬側骨壁は主に束状骨で構成されているため,骨喪失は舌側面よりも頬側面で顕著である5.Schroppらは患者46名の臨床研究において,平均して頬側骨外形のおおむね50%の喪失が抜歯後3ヵ月以内に起こると予期されるということを示した4.骨吸収は上下顎ともに起こり,被覆している軟組織へ影響する.軟組織の3~5mmの喪失が抜歯後初めの数ヵ月の間に起こるという報告がされている3-7.顎堤外形の寸法変化がインプラント治療の結果を損なうかもしれない.利用可能な骨には制限があり,理想の位置へのインプラントの埋入を複雑にする.十分な軟組織がない場合,補綴治療の審美的結果を損なう可能性がある.硬組織および軟組織増大術がインプラント治療の適切な結果を得るために必要となるかもしれない.即時インプラント埋入の場合,抜歯後の変化を予期あるいは,予防する必要がある. 吸収を最小に,また抜歯後顎堤寸法の維持をすべくさまざまな方策が試みられてきた.抜歯即時インプラント埋入は抜歯後の骨喪失を減らすべく提案された8.しかしながら臨床および実験的研究では頬舌的な硬組織の吸収が

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