QDI 2018年3号
4/8

インプラント治療におけるマイクロ サージェリー 近年、歯科治療全般においてマイクロスコープの普及が目覚ましい。中でも、歯内療法領域においては一定のエビデンスをもって、マイクロスコープを使用することの優位性が示されているが1)、インプラント治療へ応用した場合の真の評価はどうだろうか。 インプラント周囲の形成外科領域におけるマイクロサージェリーを、肉眼でのマクロサージェリーと直接的に比較検討した報告は現在のところ存在しない。一方、天然歯の歯周形成外科では、根面被覆術においてマイクロサージェリーとマクロサージェリーで治療結果を比較し、マイクロサージェリー群のほうが治癒のスピードが早く、平均根面被覆率も有意にすぐれているという報告が複数ある2、3)。 しかし、たとえマイクロスコープを用いたとしても、4-0や5-0といった太い縫合糸を用いればフラップを断裂させ、6-0または7-0のような細い縫合糸を用いた場合と同等の結果を得ることはできないと考えられる4)。つまり、マイクロスコープ下で縫合を行えば良い結果が得られるのではなく、細い縫合糸を用いることが最重要であり、その細い縫合糸を自在に操るために「マイクロインスツルメント(図1)」と「拡大」が必要なのである5、6)。図1-a 縫合糸のサイズ。左から、4-0、5-0、6-0、7-0、8-0。従来のマクロサージェリーで用いられている4-0や5-0と比較すると、いかに細いかがわかる。マイクロサージェリーを導入することの利点と欠点390371 ─Vol.25, No.3, 2018

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る