QDI 2019年5号
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146253天然歯×天然歯症例天然歯×インプラント症例インプラント×インプラント症例天然歯×ポンティック症例インプラント×ポンティック症例ポンティック×ポンティック症例 本稿では、歯間乳頭と同様に、天然歯と修復物間、修復物と修復物間の乳頭様組織も広範囲の意味において「乳頭」に含まれると考え、そのように呼ばせてもらう。乳頭の有無によって補綴装置の形態は変わるため、特に前歯部審美領域においては、乳頭の存在が審美修復を左右することとなる。しかしながら、実際の審美修復治療では乳頭が減少もしくは欠損している症例は珍しくない。筆者は20年以上前から審美修復に携わっているが、乳頭の減少ならびに欠損には頭を悩まされ続けてきた1〜3)。そこで本特集では、どのようなコンセプト、手技を用いて乳頭再建していくかを詳らかにしてみたい。 ひとえに乳頭の再建といっても、さまざまな環境および条件がある。また、それらによって乳頭部の減少あるいは欠損のパターンも決して単純なものではない。たとえば、天然歯‐天然歯間では、根面露出と同時に乳頭部の減少が発生してくる。また、隣接部分が欠損歯槽堤の場合、乳頭部の減少は歯槽堤の欠損とともに発症してくる。加えて、その欠損部の歯槽堤にインプラントを埋入するとなると、乳頭再建はきわめて複雑化すると言わざるを得ない。 その意味において乳頭再建手術は、根面被覆術やリッジオグメンテーションの考え方を応用・適用していくことが求められるため、テクニックも難度の高いものが要求されることを覚えておいてほしい。はじめに330685 ─Vol.26, No.5, 2019

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