QDI 2020年3号
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理由の一つは、まず、インプラントの周りにできれば2mm以上の角化歯肉を作りたいということが挙げられる(特に角化歯肉が頬側にあまりない場合に有効)。頬側は口蓋/舌側に比べて角化歯肉の量が少ない。縫合の針の刺入/刺出点は角化歯肉内にあり、切開線から2〜3mm離れた位置にあるべきだという原則から切開線を口蓋/舌側寄りに置くことで縫合を行いやすくするというメリットがある(図3)。縫合糸が粘膜や切開線から近い位置にあると、テンションをかけた際に裂開が起きてしまう可能性があるからである。 もう一つは、頬側のフラップを若干長くすることで、頬側のフラップだけ押さえておけば、ドリリングの作業に入れるという点である(図4)。図1 ペリオドンタルナイフ オーバン1/2(ヒューフレディ)。△○図2-a、b (b)のようにやや口蓋/舌側に切開線を設定する。原則3原則4ab図3-a、b 頬側のフラップを長めにすることで、1回法の場合、頬側により多くの角化歯肉を作ることができ、また縫合も行いやすくなる。図4-a〜d 頬側のフラップを長めにすることで、インプラント埋入窩形成の際、頬側のフラップのみを抑えてドリリングを行うことができる。△3a○3b4c4a4d4bインプラント治療のための 骨増生テクニック米国歯周病専門医が教える インプラント基礎講座1歯欠損から始める 安心・安全なインプラント治療950435 ─Vol.27, No.3, 2020

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