Quintessence DENTAL Implantology2020年No.5
4/9

顎堤の状態からの難易度を考えるGBR骨再生誘導法三木通英 Michihide Miki兵庫県開業:SAKULA DENTAL CLINIC KOBE―難易度別に対応した6症例―特集3はじめに インプラント治療はこの四半世紀で目まぐるしい進化を遂げた。かつては「機能改善を目的」として既存骨を基準にインプラント埋入を行う外科主導型であったが、近年では天然歯を模倣した、審美性が高く長期に維持・安定し、清掃性も考慮した上部構造が求められるようになった。特に審美領域である上顎前歯部インプラント治療においては、患者側からも審美的な要求が強く、術者には高い技術レベルが求められる。 上記のような「補綴主導型インプラント治療」の概念に則り最終補綴装置を想定すると、理想的なインプラントポジションの周囲に対する骨増生が高い確率で必要となる。骨増生は外科的侵襲が大きく、合併症のリスクが付随する。しかし、われわれが目指す治療ゴールには、審美性と永続性を両立できるインプラント周囲組織が必要である。外科基本手技を遵守し、技術レベルを向上させると同時に、進化・改良されたマテリアルやデジタルツールを駆使すれば、より安全で確実な骨増生が行えると筆者は考えている。 本稿では、前歯部審美領域における骨増生術の予知性を高めるために、欠損顎堤の形態を分類し、それぞれどのような骨増生術を選択すればよいかを検証したい。710739 ─Vol.27, No.5, 2020

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る