Quintessence DENTAL Implantology2020年No.5
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COVID-19緊急企画岩野義弘東京都開業:岩野歯科クリニックYoshihiro Iwano開業歯科医院における    の実際講演者論文講演者論文※本稿は2020年7月1日に執筆されたものです。はじめに 5月25日(月)に全国で緊急事態宣言は解除されましたが、その後、検査数の増加も手伝い1日当たりの感染者数はじわじわと増加し、まだまだ気の抜けない状況が続いています。診療についてはおそらくすべての医院で通常どおり再開されていることと思います。 しかしながら、スタッフや患者さんにはまだ不安に感じている方もいらっしゃることでしょう。私も地域医療を担う一開業医として、スタッフを雇う院長として、また家族を養う父親として、これまで、現在、そしてこれからと、考えさせられることが多々ありました。読者の皆様もこの機会に色々なことをご経験され、医院のことのみならず人生についても考えさせられた方が多いのではないでしょうか。私はたいしたことは行っておりませんし、足りないことも色々あるとは思いますので参考にはならないかもしれませんが、良い機会をいただきましたので、当院での新型コロナウイルス感染予防対策のこれまで、そしてこれからを記してみたいと思います。COVID-19問題に直面して 年末年始、久しぶりに娘と2人車で帰省しました。途中サービスエリアに寄って食事をしたり、一緒に歌を歌いながら楽しい時間を過ごしたりしていた時には、まさかこのようなことが直後に起こるとは思いもよりませんでした。 1月初旬に「中国武漢で感染症が流行しているらしい」というニュースが耳に入ってきたときは対岸の火事といった認識で、1月16日(木)に新型コロナウイルス感染者が日本で初めて確認された時点でもまだそこまで危機感はありませんでした。1月29日(水)に観光バスの運転手が感染するという国内で感染した例が確認されたあたりから、「これはまずいことになりそうだ」とやや危機感が生まれてきたように思います。さらにその直後、ダイヤモンド・プリンセス号での感染拡大が始まったころから雲行きが怪しくなってきました。しかし2月15日(土)、16日(日)と日本口腔インプラント学会関東甲信越支部学術大会が新潟で開催され、多くの先生方が参加されたように日本国内での感染はそこまで広がっておらず、110679 ─Vol.27, No.5, 2020

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