Quintessence DENTAL Implantology2021年No.1
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 近年のインプラント治療は、以前は予想できなかった審美性と機能性の回復をより確実に、短期間で行えるようになっている。これはインプラント治療に関するさまざまな基礎および臨床データの蓄積による治療概念の進化と、その支援ツールであるCBCTとCAD/CAMの多大な恩恵と言っても過言ではないであろう。 「治療ゴール」は今も昔も不変であるが、「治療戦略」は時代の進歩にともなって変化し続けるものである。審美領域で2回法待時埋入が主流だった前歯部修復も1回法抜歯即時埋入、そして即時負荷に関するリスクへの対応が解明され治療概念が確立された現在、適切な症例選択のもと、積極的に治療計画に生かしていくことが、術者・患者双方に大きな恩恵をもたらすからである。 そこで本稿では、おもに即時治療未経験者の読者を想定して、即時治療に関する基礎・臨床の両面から確立した治療概念と外科的・補綴的治療戦略について詳説してみたい。はじめに150015 ─Vol.28, No.1, 2021

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