Quintessence DENTAL Implantology2021年No.1
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 Basic連載をはじめるにあたって 1952年、ブローネマルク博士が偶然オッセオインテグレーションを発見してから約70年が経過し、インプラント治療は目覚ましい進歩をとげてきました。その背景には、インプラント体のデザインや表面性状の改善、骨補填材などの材料の改良と、それらを用いて治療結果というエビデンスを集積してくれた先人たちの努力があったことは言うまでもありません。そのインプラント治療の進歩にともない、もちろん荷重プロトコルの定義やガイドラインなども変遷してきました。 そこで、本連載では「若手歯科医師が明日からインプラント治療を始められるような、超実践的な部位別の最新治療戦略」を提供することを目指し、検査・診断のチェックリストから手術時の具体的なテクニックやコツなど、各ステップを詳細に解説します(下記概要参照)。インプラントの手術を行う前に、確認として何度も見直すことができるような記事にできればと考えています。 第1回となる今回は、「すべての部位において共通する検査・診断および治療計画の立案」について解説していきます。原則的には日本口腔インプラント学会の発行する『口腔インプラント治療指針2020』1)を参照することを強く推奨しますが、その中でも特に筆者が重要であると考える項目についてチェックリスト形式でピックアップしたので、これらの項目については最低限網羅するように検査をしてみてください。Basicすべての部位に共通する検査項目(1)問診 原則的には、問診票に表1の内容を盛り込み、患者に記入してもらいましょう。異常などがある場合は詳細について聴取し、必要に応じて医科への対診を行い、休薬や加療の可否などについて指示を仰ぐことが重要です。超実践! 部位別インプラントの最新治療戦略丸尾勝一郎 Katsuichiro Maruo東京都開業:三軒茶屋マルオ歯科日本口腔インプラント学会認定専門医本連載の概要すべての部位に共通する検査・コンサルテーションのポイント第1回第1回 すべての部位に共通する検査・コンサル    テーションのポイント第2回 下顎臼歯部における治療指針と外科手術第3回 上顎臼歯部における治療指針と外科手術第4回 下顎前歯部における治療指針と外科手術第5回 上顎臼歯部における治療指針と外科手術第6回 すべての部位に共通するインプラント補    綴の術式と術後管理92Quintessence DENTAL Implantology─ 0092

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