Quintessence DENTAL Implantology2021年No.3
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COVID-19緊急企画伊東隆三1) 熊本県熊本市:医療法人伊東会 伊東歯科口腔病院1)病院長 2)理事長Takami Ito伊東隆利2) Takatoshi Ito─後方支援病院のコロナ禍12ヵ月の記録─伊東歯科口腔病院におけるCOVID-19 “水際作戦”0339 ─Vol.28, No.3, 2021はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2019年12月に中国・武漢市で突然発生して世界中に急速に拡散・蔓延し、2021年2月現在、日本では第3波が到来して医療崩壊・壊滅が懸念される状況にある。当院は歯科大学がない地方都市・熊本市で入院設備を持ち、併設している麻酔科(後藤俱子医師)の指導のもと全身麻酔下での手術・処置を含む診療を行っており、かかりつけ歯科医の後方支援の役割を果たしている。 本稿では、熊本市における新型コロナウイルスの感染状況と、その中での後方支援病院としての当院の取り組み、コロナ禍を通して見えてきたもの、医科(小堀恭裕医師)との連携の必要性などについて報告する。1 熊本市における新型コロナウイルスの感染状況 熊本市(熊本県内)で初めてCOVID-19が確認されたのは2020年2月21日の夕刻、某病院のスタッフであった。その後さらに国内、熊本県・市でも感染者が増加・拡大傾向になり、4月7日に政府が緊急事態宣言を発令した。その後も増加傾向は継続し、ゴールデンウィークあたりをピークに第1波が到来。5月下旬になると感染者数が下降し始めたため緊急事態宣言は解除され、その後7月上旬にかけて感染者の発生は少なくなり収束に向かうかと思われた。しかし、夏休みに入る7月中旬頃から再び感染者数が急速に増加し第1波の約4倍を超える数となり、8月初旬頃をピークに第2波が到来。9月中旬から10月初旬にかけてやや減少傾向がみられたが、12月上旬から再び著しい増加傾向(第1波の約30倍)を示し、2021年1月下旬に感染者数はピークとなり、第3波の様相を呈した。 熊本県・市では政府分科会が示す「ステージⅣ」(県リスクレベル:レベル5厳戒警報)を出し、県・市民に行動の自粛を求めていた。2月上旬になり感染者数は減少傾向に転じて、熊本県独自の緊急事態宣言が2月17日に解除され、「ステージⅡ」(県リスクベル:レベル3警報)に引き下げられた。11

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