Quintessence DENTAL Implantology2021年No.3
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長期インプラント症例を再評価する同一患者の経年的評価から見えてくるオステオトームテクニックの臨床的意義と抜歯後即時埋入の変遷金城清一郎 Seiichiro Kinjo沖縄県開業:泊ヒルズ歯科はじめに Summersによって考案されたオステオトームテクニックは、従来、主として口腔外科などの病院歯科で扱われていた上顎洞底挙上術(Sinus Floor Elevation:以下、SFE)を一般診療所レベルの設備と器具で行うことができるよう簡素化した画期的な手法であった。発表から20数年経過した現在でも、低侵襲で低コストな術式として認められ、そのオリジナルの概念自体にも種々の改良が重ねられ、広く応用されている。 本稿では、オステオトームテクニックを用いて抜歯後即時に上顎洞底挙上と同時埋入を行った長期経過(抜歯後即時埋入❶)と同一の患者で他部位に応用した抜歯後即時埋入(抜歯後即時埋入❷、抜歯後即時埋入❸)を比較検討することにより、抜歯後即時埋入の術式の変遷と中長期的な予後についても考察する。また、オステオトームテクニックの原点をレビューし、現在でも色あせることのない、サイトディベロップメントの手法としてのオステオトームテクニックの先見性を再評価してみたい。症例の概要2008年8月₂部へセメント固定式PFMクラウン上部構造を装着2008年9月₆部のポーセレン破折、修理2010年11月₆部、2度目のポーセレン破折、研磨で対応2013年11月₇抜歯2020年9月₅を抜歯後即時埋入、即時プロビジョナリゼーション2020年12月₅部へスクリュー固定式PLG上部構造を装着抜歯後即時埋入❸2004年3月右側上顎臼歯部へのインプラント治療を希望して来院2004年4月オステオトームテクニックによる、₅抜歯即時、₆治癒側上顎洞底挙上インプラント埋入2005年2月₆₅部へセメント固定式PFMクラウン上部構造を装着2007年6月₂を抜歯後即時埋入抜歯後即時埋入❶抜歯後即時埋入❷790407 ─Vol.28, No.3, 2021

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