Quintessence DENTAL Implantology 2021年No.5
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GBRCTGationoceDion0713 ─Vol.28, No.5, 202153ExtractionrticImplantatImplantation インプラント治療は欠損補綴の第一選択として、今や確固たる地位を築いている。しかし、歯科医師の誰もがインプラント治療をできるわけではなく、熟練者であっても初めてのインプラント埋入手術の際は緊張したことであろう。経験の浅い歯科医師がインプラント手術を行うときには、まず歯槽堤の形態が良好な症例を選ばなければいけないことは周知のとおりである。 歯周疾患やう蝕、外傷などによって歯を失うと、歯の喪失に至った経緯に応じて歯槽堤の幅と高さは減少し、その形態は変化する。陥凹部分は長期間放置すると保存修復が困難となる。天然歯を抜歯した場合も、水平・垂直的に歯槽骨吸収が起こり、特に舌側(口蓋側)と比較して頬側(唇側)では著しい1〜4)。軟組織の吸収に関しては相反するデータが報告されており1、5)、いまだに統一見解はないが、抜歯時の炎症状態や骨吸収の有無などに影響されると考えられる。 このような抜歯後の硬・軟組織の三次元的な寸法変化は、特に審美領域のインプラント治療において不利となる。インプラント埋入部位に対する骨吸収の抑制、または骨吸収部位に対する骨増生法には、矯正的挺出による骨増生、抜歯後即時埋入、上顎洞底挙上術、リッジプリザベーション(歯槽堤保存術、以下RP)、骨再生誘導法(GBR法)、仮骨延長術、ブロック骨移植などがある。しかし、インプラント手術経験の浅い術者にとっては難しい処置が多い。 そこで本特集では、歯槽堤の減少を止める、もしくは抑制し、最小限の硬・軟組織の増生でインプラント治療を行うための前処置としてRPに焦点を当て、その有効性を文献的にまとめ、術式とポイントを紹介する。RPExtraction特集2インプラント埋入を複雑にしないためのリッジプリザベーションはじめに毛内伸威 (Nobutake Mounai) 埼玉県開業:あいり歯科クリニック

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