QDT 2017年11月号
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144歯科技工作業のデジタル化はわれわれをどこに連れて行くのか? 将来残る手作業とは? 海外事情より少し遅れ、ようやく国内でも口腔内スキャナーが本格的に臨床に使用され始めてきている。高精度かつ小型軽量化され、ソフト面やカラー表示といったところも、今後ますます改良されていくと思われる。また、口腔内情報がデータ化することで、顔貌データや顎運動データ、CT画像と融合させた審美的・機能的な補綴のデジタルプランニングが行えるようになってきた。特にインプラント補綴に関しては、インプラントのシミュレーションからサージカルガイド、アバットメント製作、そして最終補綴装置製作まで、一連の流れがすべてデジタル化されてきている。 また、口腔内スキャナーの普及によって、従来の印象採得~模型製作(図1)で使用してきた印象材や模型材が不要になることから、各材料の寸法変化に起因した精度低下がなくなり、また材料費の節約にも繋がっていくだろう。それだけではなく、感染の危険性がなくなることも大きい。さらに、歯科関係者がデジタルにて情報を共有できることから、チームアプローチもスムーズになるであろう。このような状況になれば、患者の健康維持や管理等にアプローチしやすくなり、より患者から信頼される歯科医療へ向けて、デジタルは大きく貢献するであろう。はじめに連載歯科技工作業のデジタル化はわれわれをどこに連れて行くのか?将来残る手作業とは?第3回 印象(口腔内スキャニング)・模型①滝沢琢也/田中文博/陸 誠コアデンタルラボ横浜神奈川県横浜市港南区大久保1‐5‐26匠の技とデジタルの融合から、さらなる新しいステージへ図1a、b 現在、日常的に行われている作業用模型の製作風景。今後、印象採得のデジタル化にともない、このような作業は減少していくと思われる。ab第8回 日本国際歯科大会2018Bホール10/6(SAT)午前Q‌D‌TSPEAKER’S ARTICLEQDT Vol.42/2017 November page 1796

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