QDT 2018年3月号
2/8

41補綴治療と歯周組織との関係を再考する ―主に清掃性と形態について―41 欠損歯列をブリッジで補綴する場合、支台歯の本数、応力の配分の基本になっているのはAnteの法則である。これは「支台歯の歯根膜の面積の総和は、補綴される欠損部にかつてあった歯の歯根膜面積よりも等しいか、またはそれ以上でなければならない」というもので、1926年の歯冠補綴学教科書2に記載されている。なお、ここでの前提となる歯根膜面積は骨吸収のみられない理想的な骨支持のある歯牙を支台歯とした場合のものである。この前提のもとで、欠損補綴時の支台歯本数の決定に応用されている。また、この法1.連結の必要性歯根膜面積の少ないブリッジを長期安定させるための心がけ図1d 多数歯ブリッジ製作時にはサベイヤーを使用する。図1e ワックスによるカントゥアの確認。図1f 補綴治療終了後2年経過時。図1a 歯根膜面積の少ない₁₁₂₅ブリッジ、および下顎総義歯の症例。こうした条件下のブリッジの支台歯では、脱離を防ぐために可能な限り支台歯軸面の平行性を取り、テーパーを最小限にするためサベイヤーを使用する。また、①歯間ブラシを同じサイズにする(歯科技工所に歯間ブラシを渡す)、②清掃しやすい補綴装置形態にする(歯間部、エマージェンスプロファイル)、この2点も重要である。本図は初診時の状態で、主訴は「上顎歯間部に食物がよく詰まる」ことであった。図1b、c:咬合位の補正。bcQDT Vol.43/2018 March page 0373

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る