QDT 2018年3月号
4/8

理想的なインプラント周囲軟組織のための“Slim Concept”QDT International ArticleThe “Slim Concept” for ideal Peri-Implant Soft Tissues治療計画と正確な治療が要求される。このような治療は、硬・軟組織における破壊的な状況を防ぎ、ただ5~10年ではなく、さらに長年における予後を見据えたものでなければならない。しかし、実際の臨床現場では長期の予後を考えた治療法より、即時的な治療結果を求める治療法を選択する傾向にあるのは否めない。破壊的な予後を招くであろう多くの要因はいまだ理解されておらず、治療後数年たってから破壊的状況に陥るといった治療の実態を見るのはよくあることである。 昨今の歯科インプラント治療において、前歯部におけるインプラント治療は部位的にアクセスが容易で、歯周組織はとにかく治癒するという考え方から、比較的安易に行えるものであるという間違ったコンセプトが受け入れられがちである。このような間違った診療姿勢は、長期の良好な予後を期待する患者にとって決して利益をもたらすものではない。 実際には、このような前歯部における高い審美性を求められるインプラント治療は、非常に困難で緻密な

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る