QDT 2018年4月号
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37補綴・修復治療前後のホワイトニングとメインテナンス37 ホワイトニングと補綴治療の関係は切っても切り離せない。その実例を図1に示す。本症例では、11のホワイトスポットと切端のチッピングの改善を主訴として来院した。ホワイトニングも希望されたが、「白すぎない、きれいな白め」を希望されたので、目標シェードをA1に設定、ホワイトニング後にポーセレンラミネートベニアを装着した。一般的なステップとして、ホワイトニングを行ってから補綴・修復治療へと移行する。口元は明るくなり、また見えなかった前歯が見えるようになったことから、周りからも表情が明るくなったと言われ、患者本人も満足のいく結果となった。また筆者は、2007年のIFED(世界審美歯科学会)ソウル大会にて、ホワイトニングの診断に関するレポートをポスター発表し、国内内外から多くの関心と評価をいただいた(図2)。本稿ではこうした経験を踏まえ、ホワイトニングと補綴・修復処置を並行して行う場合の注意点や臨床のコツについて紹介していきたい。はじめにホワイトニング後にポーセレンラミネートベニアを装着した症例筆者によるIFEDでのポスター発表図1a 術前。₁₁のホワイトスポットと切端のチッピングの改善を主訴に来院。図1b 目標シェードをA1としてホワイトニングが完了した状態。ビヨンドシステム(JBA)を15分×3回施行。図1d PLV装着後(担当歯科技工士:土屋 覚氏〔DENT CRAFT Studio〕)。図1e、f 術前(e)および術後(f)の口唇を含めた正面観の比較。図1c ポーセレンラミネートベニア(以下、PLV)のための支台歯形成時。図2 2007年のIFED(世界審美歯科学会)ソウル大会にて発表したポスターの一部。feQDT Vol.43/2018 April page 0563

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