QDT 2018年5月号
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131第9回 デジタルデンチャー② 前回、パーシャルデンチャーへのデジタルの応用として、反対側残存歯をミラーリングして人工歯を製作したパーシャルデンチャーを紹介した。今回は、口腔内スキャナーのデータによるフルデジタル・パーシャルデンチャーのケースを紹介したい。症例は₂₂欠損、インプラント埋入後の暫間義歯製作である。フルデジタル・パーシャルデンチャー症例図2a、b 口腔内スキャナー「CEREC Omnicam」(デンツプライシロナ)で、口腔内のスキャニングを行った。粘膜面のスキャニングに関しては、上顎歯槽頂付近の粘膜は慣れると安定して行えるようであるが、軟口蓋やレトロモラーパッドなどでは安定性に欠け、下顎は舌の動きにより難易度が上がるようである。また、口腔内スキャナーのワンド(計測器のヘッド部分)を挿入するためにかなり大きく開口するため、位置によっては粘膜が動いてしまい、閉口時の状態と変わってしまうことなども考えられる。図4a、b 3Shapeのデンチャーフレームソフトウェアにてクラスプデザインを行った。クラスプ脚部にはレジン床が入るスペースとして0.8mmの間隙を設定した。この後の人工歯デザインはデンチャーフレームソフトウェアではできないため、3Shapeデンタルデザイナーで行うこととなる。図3 スキャニングされ、抽出された歯列データ。今回は欠損部位が小範囲であるため、粘膜のデータも安定しており、データにエラーは確認できない。aabbQDT Vol.43/2018 May page 0815

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