QDT 2018年8月号
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表1 2,906個の天然歯支台の補綴物を対象にした研究から、5年間の生存率はジルコニア、二ケイ酸リチウムなどをコーピングに使用したオールセラミックスよりもメタルセラミックスの方が高いことが報告されている(本表は参考文献1より引用、*頑健なポアソン回帰に基づく、**すべてのタイプの固定性修復物を含む頑健な多変数ポアソン回帰に基づく)。歯科医師・内山歯科クリニック東京都港区南青山2-7-27 フォレストサイドビル2F内山徹哉 Tetsuya Uchiyama補綴物製作・間中道郎氏〔Dent Craft Studio M's Art〕ものが多くなっている実感がある。その背景には、作業工程が煩雑で材料的なコストのかさむメタルセラミックスにくらべ、シンプルかつ低コストで製作でき、予後に関する報告も増えているオールセラミックスの利点が徐々に認知されてきたことが挙げられるだろう。固定性修復物の種類固定性修復物の総数固定性修復物の総曝露時間固定性修復物の平均追跡期間年間推定失敗率*5年間推定生存率*相対生存率**p値**メタルセラミックス1,79612,5867.01.15(0.72-1.84)94.4%(91.2-96.5)1.00(リファレンス)―強化型ガラスセラミックス2081,2536.02.31(1.23-4.35)89.1%(80.4-94.0)2.01(0.95-4.25)0.068ガラス浸透型アルミナ2299434.12.97(1.20-7.35)86.2%(69.3-94.2)2.58(0.99-6.69)0.052高密度焼結ジルコニア6733,0624.52.02(1.24-3.31)90.4%(84.8-94.0)1.76(0.90-3.41)0.096■5年間の推定生存率ではメタルセラミックスがわずかに有利だが……!

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