QDT 2018年10月号
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 これまで、天然歯修復における歯肉審美獲得のための臨床対応について論述してきた。今回からは、前歯部インプラント修復治療に必要な補綴要件と、インプ 現代における審美修復治療のなかで、前歯部にインプラントを用いた欠損修復は、もはやその一部としてカテゴライズされることもある。これは単に修復材料の進歩に留まらず、今日まで着実に積み重ねられたエビデンスとプロトコルによって確立された成果である。また、今後も加速するデジタルデンティストリーの発展にともない、より安全で安定した修復結果が身近に得られるようになるであろう。ただ、インプラント審美の獲得においても、天然歯修復同様に高まる要求をいかに充たしながら自然な歯列へと近づけるかはラント周囲軟組織との審美的調和を目指した上部構造設計について触れてみたい。永遠の課題となるのであろう。 欠損修復において、自然美の再現に至ることは決して容易ではない。しかしながら、Furhauserら1やBelserら2が唱えた審美評価基準からは、天然組織に挑もうとする意欲的な姿勢が多く感じ取れるのではないだろうか(表1)。また、これまでと同様に歯肉審美への着眼点として、前歯部インプラント修復の術前・術後の相対評価としてGingival Frameworkの分類を取り入れている(図1)。はじめに8.インプラント審美の獲得都築優治Ray Dental Labor京都府京都市山科区竹鼻竹ノ街道町18-8 エリッツ山科ビル3F第4回 インプラント審美を獲得するための考察と対応連載歯肉審美に配慮した審美修復治療SPEAKER’S ARTICLEBホール10/6(SAT)午前Q‌D‌T第8回 日本国際歯科大会2018138QDT Vol.43/2018 October page 1680

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