QDT 2018年10月号
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第4回 インプラント審美を獲得するための考察と対応図3 術前の状態。₂は保存不可と診断され、CT画像診断より抜歯即時埋入が計画された。当該歯の歯肉レベルは反対側同名歯と同等に位置していた。図4 抜歯後の垂直的な組織吸収を見越して、戦略的に歯牙挺出を行っている。 大局的に前歯部歯列の審美性を評価する方法として、まずはGingival Frameworkの形態に着目する必要がある。その際、左右の対称性や連続性を考慮し、Regular Type・Irregular Type・Flat Typeの3つに歯肉縁形態を分類する(図2)。特にインプラント修復では欠損が引き起こす組織の吸収が原因で、Irregular TypeやFlat Typeの歯肉縁形態となりやすい。その中でもIrregular Typeはもっとも審美的に不調和をきたすため、軟組織の増生を目的とした外科手術や戦略的な矯正治療が必要になる。図1 Pink & White Esthetic Score(参考文献1、2より引用改変)。①Tooth Form②Tooth Size(with/length/thickness)③Arrangement④Color(value/hue/chroma)⑤Surface Texture⑥Characteristic⑦Luster①Mesial Papilla②Distal Papilla③Level of Soft-tissue Margin④Soft-tissue Contour⑤Alveolar Process⑥Soft-tissue Texture⑦Soft-tissue Color図2a~c Gingival Frameworkの形態におけるRegular Type・Irregular Type・Flat Typeの3つの分類。Regular TypeIrregular TypeFlat Type ここで、歯肉審美に配慮した前歯部インプラント修復症例をいくつか紹介したい。抜歯後の組織吸収を見越して、戦略的に歯牙挺出を行った症例abc139QDT Vol.43/2018 October page 1681
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