QDT 2018年12月号
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概要目的:CAD/CAMで製作されたコンポジットレジンインレー、アンレーとオーバーレイの垂直的な適合を生体外にて2種類のコンポジットレジンを用いて接着し適合を評価するものである。材料と方法:60個のタイポドント大臼歯を中型のMODインレー、解剖学的なアンレー、平らなオーバーレイに形成し、それぞれ酷似した形態とし(n=20)、中心溝は厚さ3mmの形成とした(Cerec biogeneric copy)。補綴物はLava Ultimate Blocksを用いてミリングされ、咬合面にはスタンダードな展開角を付与し電気機器にて(圧力=30N)適合計測を行った。補綴物は予備加熱されたコンポジットレジン(Filtek Z100)およびデュアルキュアレジンセメント(RelyX Ultimate)にて接着された。補綴物の適合はまず試適で評価(基底面)。大気浮遊粒子摩耗(サンドブラスト)ののち適合の評価(Step 1)。合着材塗布後未重合時に適合評価(Step 2)。合着材を光重合後に適合評価(Step 3)。その後Friedman testののちWilcoxon post hoc testにて各ステップの適合比較が行われ、Kruskal-Wallis test とMann-Whitney post hoc testにて合着材の適合評価をした(p<0.05)。結果:適合は基底面条件により著しく変化をしていた(p<0.0125)。すべての補綴物は3.85μm(インレー)から5.45μm(アンレー)となりサンドブラストによってさらに深い適合となった(Step 1)(p<0.007)。しかしながらセメント合着時、インレーは試適時よりも合着材の未重合時(Step 2)において適合が改善された(±1μm)。重合後(Step 3)、アンレーとオーバーレイはZ100では2.9~3.9μmと深く、RelyX(p=0.005)では7.0~7.3μm試適時よりも深く適合した。RelyX にて合着されたインレー(Step 2)(p=0.005)は7.9μm高くなり光重合後(Step 3)(p=0.008)では7.7μm高くなっていた。しかしながらZ100による合着は統計的に一貫して基底面との違いが出なかった(p=0.157)。結論:サンドブラストはCAD/CAMコンポジットレジン修復物の適合を深める。しかしながら、補綴用コンポジットレジン用合着材を介在することでこの誤差はきれいに補われる。光重合ののち、アンレーとオーバーレイはインレーに比べて深く、特にRelyXを使用した時にはさらに深く適合した。しかしながらインレーにおいてはやや浅く適合した。臨床的重要性:基底面への限られた適合比較の中、補綴用コンポジットレジンを合着材として使用した場合のほうがCAD/CAMインレー、アンレー、オーバーレイにデュアルキュアレジンを用いた場合よりも、より良い適合が得られた。

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