QDT 2018年12月号
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91第12回 咬合的要素の決定順序と咬合高径の設定:その4下顎側方誘導部位は患者固有の骨格型に合わせて策定Spina Mentalis(Ment)の部位に顎二腹筋が付着していることを意識するカップリングの部位を判断するにはセファログラムの活用が理想的下顎骨に直接触れてMentを探って側面より観察することにより、おおよそのこのラインはみえてくるのでそれを参考にしていただきたい。 2005年のUedaらの論文3では、第二小臼歯から第二大臼歯にかけて咬合平面の延長線が歯突起に向いていない症例では肩こりや頭痛といった不定愁訴が多い図1 それぞれの骨格型の咬合平面に対してMentから垂線を引き、そこを境目として、どのエリアにアンテリアガイダンスを担わせることが可能かを示した図(本図は参考文献1より引用・改変)。CLASS ⅠCLASS ⅢCLASS Ⅱ 下顎運動座標系上顎運動座標系mention図2 Mentの位置には顎二腹筋が存在し、下顎を左右運動させる際に筋力が直接かかる最前方位であり、この位置より後方の下顎骨には力が強くかかるため、Ment以後の臼歯部において下顎運動の側方運動時にガイダンスを与えてしまうと過大な力が歯根および歯根周囲骨にかかってしまい破壊力となってしまう可能性がある(本図は参考文献2より引用)。図3 臨床的に、どの範囲をカップリングさせて機能させるかについてより正確を期するためには、セファロ分析のような画像診断を基に行うことが望ましいと考えている(赤色の両矢印間で赤丸内の距離までをカップリングさせる)。顎二腹筋91QDT Vol.43/2018 December page 1969

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