QDT 2019年3月号
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70Feature article ♯2 本誌2018年1月号にて画像合成試適(仮想試適)の概要と臨床応用について述べた。本稿はその続きとして執筆しているため、導入に関してはそちらを参照されたい。 筆者は、本法を10年以上臨床に応用してきた。結果、効率良く目標歯の色や表面性状を確認しながら製作することが可能となり、テクニックセンシティビティーの高い中切歯単冠の補綴装置製作においても幾分ストレスを軽減して作業を進めることが可能になったと考える。前回述べたが、本法の大きな目的の1つに“作業効率を上げる”というものがある。日常臨床である以上、通常でも時間のかかる製作工程において、いかに精度が高くても煩雑かつ膨大な時間がかかる方法では、補綴装置の単価が下がりきっている日本での価値はない。あくまで、“最低限必要な精度を有しつつ最大限製作スピードを上げる”ことに意味がある。しかし、実際に筆者自身まだまだ感覚に頼って作業スピードを上げていたところがあり、術者再現性の課題として考えていた。 そこで今回、画像合成試適の一部の問題を解決し、さらなる高効率化を図るために近年実践している方法について言及する。Feature article #2はじめにセラミッククラウンの色の調和画像合成試適の高効率化を図るための理論と実践湯浅直人大谷歯科クリニック 東京都台東区下谷2-3-2-1FQDT Vol.44/2019 March page 0394

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