QDT 2019年3月号
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96部分床義歯を究める連載松本勝利 Katsutoshi Matsumoto歯科医師・医療法人社団慈愛恵真会 あらかい歯科医院福島県南会津郡南会津町関本下休場729‐1第15回(最終回) IOD、IARPD、IPODについて 昨今のデジタルデンティストリーの進展はいうまでもなく、CTで撮影した画像を動かして咬合のシミュレーションを行うことさえできるようになっている。よって、これからCTを導入される読者はできるかぎり撮像範囲の広い製品を購入して、こういったシミュレーションに備えていただきたい。CTを撮影し、デジタル顎運動記録を行えば画面上で顎を動かすことができ、歯列だけでなく顎関節の状態までシミュレーションし、検査・診断を行うことができ、かつ、デジタルFKOが可能となり咬合干渉のないクラウンの咬合面形態を製作可能なためである。他方、ラボサイドでは床義歯をCADでデザインし、人工歯や義歯床をそれぞれCAMで加工・製作した上でそれらを接着して組み立てるような時代が到来している。つまり、デジタルソリューションによって咬合の分析から最終補綴物の提供までが行える時代はもう目の前に迫っているといっても過言ではない。 図1に、自院で試験的に製作したCAD/CAM部分床義歯を示す。フレームワークにはTRINIA(Bicon,松風)を用いている。現在、破折までの時期を知るために使用していただいているが、2年経過した今も破折には至っておらず良好に日常生活において使用していただいている。この義歯は右下第一小臼歯の頬側にクラスプを設置しているが、不要ではないかと感じており、途中で削除した。TRINIAには多少の弾性があるため、舌側にほんの多少のアンダーカットを付与しているが、ガイドプレーンなどの把持機構のみで十分に患者にとっては快適に使用できているとのことであ 1床義歯にもデジタル時代が到来している!QDT Vol.44/2019 March page 0420

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