QDT 2019年4月号
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 前号のPart1では、新材料のユニバーサルステインシステムおよび同システムに含まれる「山本リキッド」を用い、勘に頼ることなく築盛中に完成後の色調を確認できる、審美性を追求した技法を紹介した。 引き続き今回は、筆者が考案した「Rose Tech-nique Systemセミシンタ築盛法」について紹介していく(以下、セミシンタ築盛法)。「セミシンタ(Semi-sinter、半焼結)」という言葉のとおり、本法は築盛中に歯冠形態をある程度まで形作った上で半焼結し、そこからカービングによって形態を付与することを主な特長とするもので、従来の陶材築盛の問題点であった完成後の色調・形態を予知することの難しさ、また技術伝承の難しさを解決するものである。前号で示した山本リキッドと同様に、本法も「製作中に完成後の状態をできるだけ把握する」「それにより、歯科技工士の負担を軽減し生活を豊かにする」ことを主眼としており、前号で併せて紹介することも一案ではあったが焦点がぼやけてしまうためにあえて記載はしなかった。実際、今回紹介する技法の理論は非常に簡単であり、筆者は初心者の入門コースから上級者向けのコースに至るまで、この技法を活用している。それでは以下に、詳説していきたい。はじめに歯科技工士・浜崎セラミストINC./セラミストクラブ代表/(株)松風上級アドバイザー徳島県徳島市国府町池尻37-3浜崎信夫 Nobuo HamasakiFeature article ♯1セラミッククラウンの技法を科学するPart 2:新技法「Rose Technique Systemセミシンタ築盛法」を用いたセラミッククラウンの製作法(前編:理論編)

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