QDT 2019年4月号
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抄録 1980年前半にCERECシステム(Sirona)が初めて紹介されてから、CAD/CAM技術は近代接着歯学において急速に広まってきた。この革新的な技術によって、歯科医師がすべてを管理可能で、患者にとって低コストかつ迅速で、さらにプロビジョナル期間を省略したチェアサイド診療が可能となった。現在では特にコンポジットレジンブロック領域における技術と材料の進歩から、最小限の侵襲ないし非侵襲による非常に薄い複数の修復物が即日製作可能である。今回供覧するのは、石膏模型やクラシックな咬合器を使用することなく、歯科医師がチェアサイドで非侵襲アプローチを立案し治療した症例である。CERECシステムのバーチャル咬合器の「インサイザルピン」を使用して、咬合高径挙上を計画した。過食症の既往から全顎的に歯質を喪失した患者の臼歯部に、無切削で8個のコンポジットレジン修復物を設計した。上顎前歯部は6個のパラタルベニアで修復し、より高い審美性を得るために唇側から直接法のコンポジットレジン修復を行った。下顎臼歯部はコンポジットレジン直接法で築盛した。

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