QDT 2019年5月号
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 近年の歯科治療におけるインプラント治療のニーズは高まっており、求められている審美的要求も非常に高くなっている。しかし長期予後を見てみると審美的な問題を抱えているケースも少なからず存在している。原因としてはインプラント歯周炎など多種多様でさまざまな原因があるが、最終補綴物を製作するわれわれ歯科技工士によってもその原因を生み出してしまうこともある。よって最終補綴物を製作する際には、マテリアル、歯肉縁下の形態、咬合など多くの知識とそれを具現化する技術が必要となる。 筆者がともに仕事をさせていただいているDr. Iñaki Gamborena(GAMBORENA DENTAL CLINIC、スペイン)は自身でも技工を行うなど歯科技工の分野にも非常に造詣が深い。そのため筆者は実際のチェアサイドの術式やラボサイドでの技工操作を見せていただき、多くを学ばせていただいている。そして氏がこれまで治療を行ってきた患者や筆者が製作した最終補綴物の予後を観察して軟組織に起こる問題点を改善していくことで、長期予後でも成果を出せている。 今回は、ラボサイドにおいて筆者が臨床で行っている技工ステップを解説するとともに、本誌2018年12月号のMASTERPIECEに掲載させていただいた症例についての詳細を述べさせていただく。

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