QDT 2019年6月号
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52オペーク色レジンセメントを活用したマスキング方法の考察Feature article #2松山真也SUNS Dental Laboratory大阪府大阪市中央区神崎町2-24 ワウズワン2F 近年、オールセラミックスのマスキング方法についてはさまざまなテクニックが紹介されている。その中のひとつとしてオペーク色のレジンセメント(以下、オペークセメント)の活用が挙げられる。しかし、実際の臨床の現場においてはクリアのレジンセメント(以下、クリアセメント)が使用される機会が多く、クリアセメントではマスキング不足と判断された場合に、歯科医師がその場の判断でオペークセメントに変更するというような使い方が多いのではないかと思われる。筆者の場合、逆にオペーキーな仮着セメントとクリアセメントの差による明度の変化を目の当たりにし、セメントによる明度の変化を実感したことがある(図1)。そのため、現在では変色支台歯に対してオペークセメントを積極的に使用していただくようにお願いしている。 今回は、オペークセメントと他のマスキング方法が、どの程度マスキング効果を得ることができるのかについて検証した結果を提示し、その上で筆者が日々の臨床で行っているマスキング方法を紹介したい。図1b 仮着セメント除去前。仮着セメントでクラウンが仮着された段階では、色調に問題はないように思われた。本図を見ても、仮着セメントにはかなりのマスキング効果があることがわかる。図1c ジルコニアクラウンをクリアセメントにてセットした状態。マスキングが不十分だったために目標歯と比較して明度が低くなってしまったが、この状態で患者が了承したために修正されることはなかった。自身のテクニカルエラーを反省するとともに、セメントによる明度の変化を実感することとなった。図1a オペークセメントの有用性を実感した症例。支台歯は歯頚部までメタルとなっている。はじめにQDT Vol.44/2019 June page 0910

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