QDT 2019年7月号
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20Feature article #1▲序 前編では、天然歯の蛍光に関する基礎的な事柄から、天然歯の蛍光撮影に必要な条件、自然光の紫外線を用いて蛍光を撮影する理由、それを実現する装置の製作および撮影方法などを述べた。後編ではこれらの条件や方法に則って撮影した画像を示し、天然歯の蛍光が自然光の中でわれわれの目に見えているのかどうかについて言及する。また、われわれの身の回りに溢れる蛍光を利用した製品と天然歯の蛍光との関係、現状の歯科材料の蛍光性などについて述べる。また蛍光性と関連する事象としてジルコニアの変色を報告する。U330撮影装置を用いた自然光の50μW/cm2の紫外線による天然歯の蛍光撮影図1a~i U330撮影装置を用いた自然光の紫外線(50μW/cm2)による天然歯の蛍光写真。自然光の標準露光下で天然歯の蛍光は写らなかった。U330フィルターは可視光の紫と赤の一部も透過するため、蛍光写真にはこの紫と赤が被る欠点がある(前編の図13参照)。a:自然光下で18%標準反射板を用いて標準露光を設定(シャッタースピード:1/10秒、絞り:f/8、ISO感度:100)して撮影した画像。b:aと同じ標準露光1/10秒、f/8、ISO100で、U330フィルターを透過した自然光の紫外線で撮影した画像。何も写っていない。c:標準露光からシャッタースピードで1EV露光を上げた、1/5秒/f/8/ISO100で撮影した画像。何も写らない。d:同様に2EV露光を上げた、0.4(1/2.5)秒/f/8/ISO100で撮影した画像。まだ何も写らない。e:同様に3EV露光を上げた、0.8秒/f/8、ISO100で撮影した画像。歯根から歯頚部にかけて写りはじめた。f:同様に4EV露光を上げた、1.6秒/f/8/ISO100で撮影した画像。ほぼ歯冠の1/2ほどが写った。g:同様に5EV露光を上げた、3.2秒/f/8/ISO100で撮影した画像。まだ切端部が写っていない。h:同様に6EV露光を上げた、6秒/f/8/ISO100で撮影した画像。歯冠が完全に写った。i:同様に7EV露光を上げた、13秒/f/8/ISO100で撮影した画像。露光がオーバー気味である。adgbehcfiQDT Vol.44/2019 July page 1052

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