QDT 2019年7月号
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104クワタカレッジOBが見せる補綴ケースプレゼンテーション 「何故」を追求する歯科医師たち連載クワタカレッジOBが見せる補綴ケースプレゼンテーションを追求する歯科医師たち「何故」*1歯科医師・マイスター春日歯科クリニック東京都練馬区春日町3-29-8-3F*2歯科技工士・前クワタカレッジ校長、ボストン大学客員教授東京都文京区向丘2-14-2*3歯科医師・TEAM TOKYO ノブレストラティブデンタルオフィス東京都中央区八重洲2-5-6 KBYビル2階*1遠山敏成 Toshinari Toyama*2桑田正博(講評) Masahiro Kuwata*3北原信也(講評) Nobuya Kitahara第1回:Functionally Discluded Occlusion for Single Crown Zirconia Restoration連載開始にあたって 桑田正博氏(歯科技工士・前クワタカレッジ校長、ボストン大学客員教授)は,米国でのDr. Sigmund Katz(故人・工学博士)との運命的な出会いから、日本では「メタルボンドクラウン」の愛称で親しまれ、歯科治療において欠かせない存在となった白い歯・P.F.M.(Porcelain Fused Metal)を1964年に誕生させ、世界中の歯科治療を変える偉業を達成した人物である。そして、折しもナソロジーが全盛期の時代において、ポーセレンで咬合を作るということに多くのバッシングが集中したことを機に、咬合の考えかたおよび支台歯形成の理論を確立。今では補綴を勉強すればかならず出てくる「エマージェンスプロファイル」という言葉も、氏が作り出した歯科用語である。氏は世界中で講演・セミナーで引っ張りだこであったが、母国日本の歯科発展に寄与したいと、1972年3月に卒後教育機関「クワタカレッジ」を開始し、昨年2018年11月には最終クールとなる131期生を輩出し47年の長い歴史に幕を閉じた。また前後して、筆者ら卒業生は、桑田氏から学んだ多くのことを後世に伝えていくために、2007年のAAED(American Academy of Esthetic Dentistry、桑田氏もファウンダーのひとりである、米国でも非常に権威ある審美歯科の学会)への参加時(下図)に、桑田氏、茂野啓示氏(京都府開業)、吉永 修氏(熊本県開業)、三村章吾氏(熊本県開業)、そして筆者・北原を含む5人でK.I.M.(Kuwata Institute Millennium)を結成、桑田氏のフィロソフィーの中でも、とくにF.D.O.(Functional Discluded Occlusion)の考え方を継承、啓発すべくスタディグループを立ち上げた。現在では約80名ほどのメンバーで精力的に活動をしている。 そこで本連載では、クワタカレッジの閉講をひとつの節目とし、その卒業生でありK.I.Mの主要メンバーでもある歯科医師の面々による、卒業記念ケースプレゼンテーションを企画させていただいた。今月から、6回にわたる素晴らしいケースの競演となる。“何故の追求”と“Dentistry is Occlusion”という言葉に代表される、桑田正博ワールドをご堪能いただきたいと思う。クワタカレッジ100期/131期 卒業北原信也▲K.I.M.はAAED参加時、桑田先生の部屋に集まり、その当時は未来のテクノロジーとされたCAD/CAMと3Dプリンターモデルの原型を桑田先生から解説していただいた時に発足した。QDT Vol.44/2019 July page 1136

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