QDT 2019年8月号
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22Feature article #1垂直3mm(×10-6)ひずみ0-40-80-120-160-200-240傾斜3mm*垂直5mm(×10-6)ひずみ0-40-80-120-160-200-240傾斜5mm*垂直8mm(×10-6)ひずみ0-40-80-120-160-200-240傾斜8mm*はじめに Implant Assisted (or supported) Removable Partial Denture (以下「IARPD」とする)は近年さまざまな雑誌や書籍で紹介されるとともに、徐々に臨床応用が増えてきていると考えられる。そこで本稿では、1つの症例を通じて、IARPDを実際に治療オプションとして選択した場合の臨床上ならびに技工上の注意点や利点などについて考察してみたい。1.IARPDの適応症例とは 筆者らの教室では前田芳信元教授の指導の下、比較的積極的にRPDにインプラントを補助的に利用する研究や臨床が行われている(図1)。しかし、すべての部分欠損の症例に応用しているかというと、けっしてそうではない。では、どのような症例に必要なのだろうか。 RPDは、咀嚼中に発生する咬合力を支台歯や粘膜で負担して支持を得ている補綴装置であるが、遊離端欠損など、欠損歯数が増えるに従って、顎堤粘膜が負担する割合が大きくなる。さらに、対顎が天然歯で、患者の咬合力が大きい、すれ違い咬合(図2)、あるいは顎堤粘膜の状態が不良(図3)、等々の悪条件が重なIARPDの理論的考察(担当:松田)図1a 遊離端義歯の遠心にインプラントを埋入することで咬合支持の効果が期待できる(参考文献1より引用)。図1b 遊離端部へのインプラント埋入は咬合平面に垂直が望ましい(参考文献1より引用)。垂直埋入傾斜埋入有歯顎遊離端義歯0-0.1-0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8Stress(Mpa)義歯+インプラントブリッジ+インプラントブリッジ+インプラントシミュレーションステップ■ 1回■ 3回■ 5回測定部位インプラント埋入の位置QDT Vol.44/2019 August page 1216

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