QDT 2019年8月号
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96Esthetic cementation ~写真で見る、審美修復装置装着のヒント~ 近年、MIおよび生体親和性の観点からセラミックを使用した接着修復治療が盛んになっており、アンレーやパーシャルベニアなどさまざまなデザインの装置が応用されるようになってきた。そして、それらの予後に影響する要素のひとつとして、装着に使用するマテリアルやテクニックが挙げられる。 従来の金属製修復物や陶材焼付鋳造冠などでは、その維持力を支台歯との機械的嵌合力に大きく頼ってきた。しかし、セラミックアンレーやポーセレンラミネートベニア(以下、PLV)などを用いる接着修復治療では、歯質の削除量が少なくてすむ反面支台歯との機械的嵌合力も少なくなり、維持力は装着に使用するマテリアルの接着力に依存する。これらのセラミック修復物の装着には接着性レジンセメントやコンポジットレジンを使用することが多いが、それらの材料学的特性を完全に発揮するためには、各種マテリアルの基本的な取り扱い方法を遵守することはもちろん、水分を遮断するためのラバーダム防湿なども確実に行われなければならない。 こうした点を踏まえ、本連載では現在の審美修復治療において欠かせない処置となっているPLV、セラミックインレー・アンレー・オーバーレイ、そしてセラミッククラウンの装着について、これから3回にわたり筆者が日常臨床で行っている工程を使用材料とともに示していく。まず、初回の今回はPLV編として、その装着方法について解説させていただきたい。~写真で見る、審美修復装置装着のヒント~EstheticCEMENTATION連載はじめに:連載開始にあたってEsthetic CEMENTATION第1回 ポーセレンラミネートベニア(PLV)編岩田 淳 Jun Iwata歯科医師・岩田歯科医院 兵庫県高砂市神爪1-6-11QDT Vol.44/2019 August page 1290

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