QDT 2019年9月号
8/8

83IDS2019の展示からみるデジタルデンティストリーの現状(前編)■う蝕検知機能つきのIOSが3社から発表─この対談では、3月にドイツ・ケルンで開催されたIDS(International Dental Show、図1)に参加された歯科医師の丸尾先生と、歯科技工士の十河先生のお二方をお招きし、IDSの中でも特にデジタルデンティストリー関連のトピックにどのようなものがあったのかをお聞かせいただきたいと思います。 そこでまずは、一般的にもっとも関心が高いと思われるIOS(Intraoral Scanner、口腔内スキャナー)に関連するトピックからおうかがいしたいのですが。丸尾:3Shape社(デンマーク)は、今年「TRIOS 4」という新しいモデルを発表しました(図2)。「3」や「4」という数字は全体のバージョンではなく、新しい機能が1つ追加されるごとに1つ増やすそうなのですが、その機能とはう蝕の検知です。また、接続用ケーブルを廃したワイヤレス方式が今後はほぼ標準になるようです。スキャンの速度は「3」とさほど変わらないようですが、今回はこれがもっとも話題になっていたと思います。十河:Align Technology社(米国)からも、口腔内スキャナー「iTero」にう蝕検知機能を付与した装置を発表していました(図3)。う蝕検知のメカニズムはそ企画趣旨:さる3月12日(火)から16日(土)にかけて、ドイツ・ケルンにて行われた世界最大のデンタルショー「IDS」。世界中の歯科メーカーが、隔年で行われるこのショーを目指して最新の技術や製品をリリースすることは周知であり、歯科に携わる人々にとって器械・材料の最新情報を入手する絶好の場となっている。そこで本企画では、今年のIDSに参加した歯科医師の丸尾勝一郎氏と歯科技工士の十河厚志氏をお招きし、とくにデジタルデンティストリーの視点から、今回得られた最新情報および感想、そしてこれまでの豊富な経験を基にした、デジタル機器の選択・使用における注意点や勘どころについてお話し合いいただいた。前編と後編の2回にわたり掲載する。図1a IDS 2019の会場入り口。図1b 入り口にはTRIOS 4の広告が大きく掲げられていた。図2a 3Shape社のTRIOS 4(右)と、TRIOS 3(中)およびTRIOS 3 Basic(左)の位置づけを比較したポスター。TRIOS 3 Basicは「アナログのその先へ」、TRIOS 3は「スキャニングのその先へ」、TRIOS 4は「トリートメントのその先へ」というキャッチコピーをつけられている。図2b TRIOS 4によるう蝕検知のデモンストレーション。IOS編aabbQDT Vol.44/2019 September page 1423

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る