QDT 2019年10月号
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33主機能部位とは何か? ─咀嚼を中心とした補綴治療のために─(後編)サポート・ブレース(支持・把持)主体で設計されているPDに絞って調査図2 リテンション(維持)主体のPDで噛めないことは明白なため、この写真のようなサポート・ブレース(支持・把持)主体で設計されている当院のPDに限定した。PD補綴における主機能部位の調査結果PD補綴における主機能部位は?(31症例)残存歯対残存歯17症例 55%残存歯対PD12症例 39%PD対PD2症例 6%残存歯対PDどこで噛んでいる?(12症例)1歯分遠心側8症例 67%いずれも直接支台装置から……2歯分遠心側2症例 17%3歯分遠心側1症例 8%4歯分遠心側1症例 8%図3a PDが主機能部位の役割を果たしている症例は過半数には至らなかったが45%に及んだ。図3b 残存歯とPDどうしが主機能部位となっている12症例中、PD(人工歯)のどこで噛んでいるのかを調べたところ、直接支台装置から近接の部位が全体の3分の2を占めた。下顎とも、あるいは片顎いずれかでもかまわない、②サポート・ブレースがしっかり付与されたPD構造(テレスコープ義歯は除く。当院製作PDに限る〔図2〕)、③アイヒナーB群(残存歯の咬合支持あり)の欠損歯列、④インプラントオーバーデンチャーは含まない、⑤PD設計に絡んでいないインプラントの存在は認める、⑥PDに満足されているメインテナンス継続患者、の6条件で絞り込んだ。口腔内でもっとも噛める部位、すなわち「咀嚼側の主機能部位」を確認するものとし、全31症例(うち中間欠損4症例、遊離端欠損27症例)となった。また、PDを外しても咬合支持が存在する条件のため、PD装着時と未装着時の2パターン行った。①PD補綴における調査結果(図3) 31症例中、主機能部位が残存歯どうしのものは17症例(55%)、残存歯とPD(人工歯)のものは12症例(39%)、そしてPD(人工歯)どうしのものは2症例(6%)だった。 残存歯どうしが主機能部位の17症例中には、そもそも咀嚼側に欠損(人工歯)がないもの3症例も含んでいる。この17症例は当然ながらPD未装着時においてもQDT Vol.44/2019 October page 1535

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