QDT 2019年10月号
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61座談会 Virtual Articulatorの到達点と未来展望:中編 図1は上顎右側小臼歯から上顎左側中切歯までの5本ブリッジのケースです。こういったケースの場合、プロビジョナルレストレーションを作ってからファイナルに移行すると思うのですが、プロビジョナルレストレーションが装着された状態の模型をいただいて、それをスキャンしてファイナルにそのまま移行するという作り方が多いです(図2)。これは両側中切歯2本のケースでもそうですし、多数歯になっても同様です。ただこのケースでは上顎左側中切歯の舌側ガイドが足りなかったのでCAD/CAM用ワックス(CAD/CAMスキャンワックス、YETI Dentalprodukte,内外歯材)で足しています。スキャンしたデータは支台歯模型と合成します(図3)。 inLabソフトウェアのVirtual Articulatorは、他のシステムのようにライブラリーに各社の咬合器のデータが入っ 伊藤竜馬と申します。本日はよろしくお願いいたします。 私は新東京歯科技工士学校を1996年に卒業後、鶴見大学歯学部歯科技工研修科、そして早稲田歯科技工トレーニングセンターで学びました。早稲田歯科技工トレーニングセンター時代には本日座長を務めていらっしゃる難羽先生からカービングを教えていただいていました。その後はしばらく経験を積んで30歳のときに開業しましたので、開業して13年になります。開業後しばらくしてからSirona inLab CAD/CAMシステムを導入し、その関係もあり現在はデンツプライシロナのインストラクターも務めさせていただいております。本日はinLabソフトウェアのVirtual Articulatorのお話をさせていただきたいと思います。 本日お話しする項目は3つです。1つ目はアナログ模型上での応用について、2つ目はシロナコネクトによる模型レスのケースについて、3つ目にSICAT Functionでのデジタルファンクションと今後の展望についてです。CADソフトウェアCEREC inLabソフトウェア(デンツプライシロナ)3rd Presenter伊藤竜馬 Leap Ceramic Artsアナログ模型上での応用図1 ₄~₁の5本ブリッジの症例。以前装着されていたメタルセラミックスが破折したため、ジルコニアバッキングでの製作となった。図2 プロビジョナルレストレーションのガイドをコピーするため、プロビジョナルレストレーションが装着された状態の模型をスキャンする。本ケースでは上顎左側中切歯の舌側ガイドが足りなかったのでCAD/CAMワックスで足している。12QDT Vol.44/2019 October page 1563

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