QDT 2019年10月号
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75IDS2019の展示からみるデジタルデンティストリーの現状(後編)●新たな展開に乏しかったミリングマシン─では、ミリングマシンですが、これは新しいものがありましたでしょうか。丸尾:ないですね(笑)。新製品はあるのかもしれませんが、積極的には展示されていなかったのではないでしょうか。以前のIDSでは、何トンもあるような大型のミリングマシンが多数見られましたが、ほとんど姿を消していました。十河:DMG MORI社(DMG森精機、日本)が大型の装置を展示していて(図1)、ミリングマシンだと思って近づいてみたのですが、これもレーザーシンタリングとミリングの複合機でした。概形をレーザーシンタリングで作り上げ、それに加えてインプラントのスクリューホールやコネクション部といった高精度が求められる部分をミリングするという工程を1台で行える装置です。大型のミリングマシンが必要になる状況というのは、コバルトクロム合金のような硬い金属や、大型のメタルフレームを切削する場合に限られます。こうした場合に生じる、精度に影響する装置自体のブレを防ぐために、装置自体に重量が必要となります。5トンくらいある装置も見たことがありますが、最近ではメタルフレーム自体の需要も減ってきていると思いますし、メインになるのはジルコニアや二ケイ酸リチウムといったセラミックスですから、よほど大量生産するのでないかぎり卓上型の装置で可能になってきています。今年のIDSで展示されていたのは、ほとんどジルコニア専用の、小型の装置ばかりという印象でした。DGSHAPE社(日本)が、日本国内ですでに販売されているものも含め、小型サイズの新製品を展示していました(図2)。─最近のミリングマシンに搭載される機能のトレンドとしては何が考えられるでしょうか? ツールチェンジャーも珍しくなくなりましたし、ディスクチェンジャー付きの装置も小型サイズで出てきました(図3)。これに加えて、何かありますでしょうか。十河:これはIDSでの展示ではないのですが、私のラミリングマシン編図1a、b DMG森精機の加工機・ULTRASONIC 20 linear。図2a、b DGSHAPE社による展示。aabbQDT Vol.44/2019 October page 1577

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